セリエA最終節、インテルのDFフェデリコ・ディマルコが叩き込んだ芸術的なフリーキック弾が話題を集めている。今季のセリエAMVPに輝いた左利きのDFが魅せた一撃を切り口に、セリエAのMVP制度とはどのようなものか、選考基準や歴代受賞者、そして日本人選手との関わりまでを整理する。
ディマルコのFK弾で幕を閉じたインテルの優勝シーズン
インテルは現地時間5月23日、セリエA第38節(最終節)でボローニャと対戦し、3-3のドローで今季の全日程を終えた。試合はすでに優勝を決めていたインテルにとって消化試合となったが、21分に今季MVPのディマルコがペナルティエリア手前のやや右寄りの位置から左足を振り抜き、ボールをゴール右上に突き刺した。芸術的なフリーキックで先制点を奪うという、MVPにふさわしい締めくくりとなった。
その後インテルは25分と42分に連続失点で逆転を許し、後半開始早々にもオウンゴールで追加点を献上。しかし64分と86分に得点を奪い返し、3-3のドローで試合を終えた。今季のセリエAは38試合29勝7分2敗・勝ち点94でインテルが制しており、優勝の余韻の中での最終節だった。インテル 2023-24シーズン詳細(Wikipedia)
セリエAのMVP制度とは?選考基準と投票方式
セリエAには複数の最優秀選手賞が存在する。なかでも広く知られているのが、イタリアサッカー選手協会(AIC)が選手投票によって選出する「AIC最優秀選手賞(Calciatore dell’anno)」だ。現役のセリエA選手が同じリーグでプレーする選手に対して投票する仕組みで、「選手が選ぶ賞」として高い権威を持つ。
選考の基準はシーズンを通じたパフォーマンスの総合評価とされており、得点・アシストといった数字だけでなく、リーダーシップや試合への貢献度も反映されるとされている。守備的なポジションの選手がMVPを受賞するケースはそれほど多くなく、ディマルコのような左サイドバックが選出されることは特筆すべき出来事といえる。
なお、セリエA公式が主催するリーグ独自の表彰制度も存在し、得点王や年間最優秀選手などのカテゴリが設けられている。2023-24シーズンの得点ランキングはインテルのラウタロ・マルティネスが24得点でトップに立っており、ラウタロはセリエA年間MVPにも輝いたとも報じられている。2023-24セリエA得点ランキング(ゲキサカ)
今季インテルのセリエA制覇と選手たちの活躍
2023-24シーズンのセリエAは、インテルが38試合29勝7分2敗・勝ち点94で優勝した。2位ミランとは勝ち点19差という圧倒的な強さでの制覇となり、インテルにとって3シーズンぶりの優勝だった。また同シーズンはスーペルコッパも制覇しており、複数タイトルを獲得したシーズンとなった。平均観客動員数は72,838人を記録し、欧州クラブ3位・イタリア1位を誇った。2023-24セリエA最終順位表(ゲキサカ)
| 順位 | クラブ | 勝ち点 |
|---|---|---|
| 1位 | インテル | 94 |
| 2位 | ミラン | 75 |
| 3位 | ユベントス | 71 |
| 4位 | アタランタ | 69 |
ディマルコはそのタイトル獲得に大きく貢献した一人として、今季のMVPに選出された。左サイドバックでありながら攻撃面でも存在感を示し、精度の高いキックを武器にシーズンを通じてインテルの攻撃を牽引した。
日本人選手とセリエAのMVP――長友・冨安・鎌田の足跡
セリエAで長年にわたりプレーした日本人選手として、まず長友佑都の名前が挙がる。長友は2011年にインテルへ移籍し、左サイドバックのレギュラーとしてチームを支えた。ディマルコが今活躍しているポジションで、長友もかつて主力を張っていたことは日本のサッカーファンにとって感慨深い事実だ。ただしMVP受賞には至らなかった。
冨安健洋はボローニャで2019年から2021年までプレーし、守備の要として高い評価を得た。セリエA屈指のDFとして欧州各国から注目を集め、2021年にアーセナルへ移籍するきっかけにもなったシーズンは特に印象深い。MVP選考に名前が挙がるほどの評価を受けたとは確認されていないが、リーグ内での存在感は確かなものだった。
2023-24シーズンには鎌田大地がラツィオでプレーしたが、第27節終了時点でスタメン出場はわずか8試合にとどまるなど、出場機会が限られたシーズンとなったと報じられている。MVP争いに絡む活躍には至らなかった。鎌田大地のラツィオでの出場状況(フットボールチャンネル)
現時点でセリエAのMVP(AIC最優秀選手賞)を日本人選手が受賞した記録は確認されていない。
芸術的なFKが象徴するもの――DFがMVPを獲る時代
かつてMVPといえばストライカーや攻撃的MFが独占するイメージが強かったセリエAにおいて、左サイドバックのディマルコが選出されたことは時代の変化を示している。現代サッカーにおいてサイドバックに求められる役割は格段に広がっており、得点・アシストに加えてビルドアップへの関与、プレスの起点となる動きなど、評価軸が多様化している。ディマルコの受賞はその流れを象徴するものといえる。
最終節でもそのクオリティを示したペナルティエリア手前からのFK弾は、今季の活躍を凝縮した一撃だった。
セリエAのすべての試合をリアルタイムで楽しみたい方は、欧州サッカーの主要リーグを配信しているスポーツ動画配信サービスの利用をおすすめする。ディマルコのFKのような瞬間を見逃さないためにも、ぜひ確認してほしい。なお、2024-25シーズンの日程はすでに発表されており、開幕節は王者インテルがジェノア戦からスタートする。2024-25セリエA日程発表(サッカーキング)
まとめ
現時点で判明していること
- インテルのDFフェデリコ・ディマルコは、セリエA最終節のボローニャ戦(3-3ドロー)でペナルティエリア手前からの左足FKをゴール右上に叩き込み先制点を奪った
- ディマルコは今季のセリエAMVPに選出されており、左サイドバックとしての受賞は特筆すべき事例となっている
- セリエAのMVP(AIC最優秀選手賞)は選手同士の投票によって選ばれる制度で、数字だけでなく総合的なパフォーマンスが評価される
- 2023-24シーズンのセリエAはインテルが勝ち点94で優勝し、得点王はラウタロ・マルティネスの24得点だった
- 長友佑都・冨安健洋・鎌田大地ら日本人選手がセリエAでプレーしてきたが、現時点でMVPを受賞した日本人選手の記録は確認されていない
最後まで読んでいただきありがとうございます。欧州で活躍する日本人選手の情報や、セリエAの注目トピックをこれからもわかりやすくお届けしていく。
